非常識なIT仕事術

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WEB制作でこれまで出会った電話が大好きな社長の10の特徴

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電話が大好きな社長と付き合うと、時間が無限にとられます。よって、電話を受けずに仕事をするように変えましたが、ここでは、私から見た一方的な特徴を列挙します。

WEB制作でこれまで出会った電話が大好きな社長の10の特徴

  1.  行き当たりばったりで、電話しながらじゃないと考えが明確にならない。
  2. 明確になった考えが、すぐに気まぐれで変更になる。
  3. しかも、変更のスケジュールがタイト。
  4. しかし、金額の変更にはシビア。
  5. さらに、同じ金額のまま追加機能をあとから要求してくる。
  6. 事前によく確認せずにGOサインを出し、完成してから「やり直せ」と言う。
  7. 電話や面談などの直接交渉でゴリ押しして要求を通そうとする。
  8. 社内の人間にもあいまいな指示をだして、社内が混乱している。
  9. 社員が疲弊し、すぐにやめる。
  10. WEBの担当者も変わるので、一から教え直し。

 

1.行き当たりばったりで、電話しながらじゃないと考えが明確にならない。

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人に話す前に、考えをまとめることをしません。気持ちが「ガッ」と上がった時には受話器も上がってます。固定電話にかけるよりも、携帯電話に直接かけようとします。とにかくつながりたい。つながって思いのたけをぶちまけたい。さらには、そのまま要求を飲んでほしい・・・いや、そこまでは考えていないですね。とにかく行動が先にでるタイプの社長です。

行動が先なので、つまりは行き当たりばったりです。考えは話しながら考えています。電話が自動的にコンサルティングに化けています。ただし、フィーは発生せず、制作費ですべて含まれてしまいます。

単純なWEB制作ならいいのかもしれませんが、自分のスキルがあがり、解決能力も上がってくるとコンサルティング能力として価値を帯びてきます。それをマネタイズせずにいると電話が大好きな社長に無料で永久に奉仕することになります。

 

2.明確になった考えが、すぐに気まぐれで変更になる。

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無料のコンサルティングをやってもいいのです。奉仕の精神で。問題は明確になったはずの方針がコロコロ変わってしまい、やり直しが止まらない事です。

方針が変われば内容も変わります。ひょっとしたらナビゲーションの中のメニューすら変わりますので、デザインから変更です。

これが何度も何度も発生します。これは奉仕の精神でカバーできる範疇を大幅に超えてしまうことになります。この状態を放置すると赤字プロジェクトまっしぐらです。

 

3.しかも、変更のスケジュールがタイト。

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電話が大好きな社長は「なるべく早く」が大好きです。とにかく1日でも早く公開したい。公開して成果がほしい。こちらとしては、 赤字プロジェクトになりそうなのに。

変更の指示はどんどん来るが、スケジュールは変更しない。させない。許さない。考えることより行動が早い社長ですから、土日も夜中でも働いてとにかく早く完成させることを要求してきます。

 

4.しかし、金額の変更にはシビア。

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電話が大好きな社長は、嫌いなものが2つあります。「スケジュール変更」と「金額変更」です。どちらもWEB制作する人間にとっては死活問題ですが、電話が大好きな社長にとっては許しがたいものです。

 

仕様変更があるたびに、金額の追加を要求しようものなら怒られます。「事前に聞いていない」と言われます。WEB制作の、特に中小零細SOHOでやっている人間にとって、すべての項目を事前に伝えるのは無理です。伝えようも何も、明確な方針を決めるコンサルティング作業と、実際の仕様をきっちり決める作業料金を見積もりに含めると高額すぎて払えません。

そんな中で、なんとか折り合いのつく料金でやるのですが、どうしても曖昧な部分は出てしまいます。それをすべて「事前に聞いていない」で済まされると、赤字プロジェクトです。慈善プロジェクトです。

 

5.さらに、同じ金額のまま追加機能をあとから要求してくる。

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電話が大好きな社長は行動が早く「アイディアが湧く」タイプの人でもあります。プロジェクトの途中でアイディアが思いついて、追加機能を要求してきます。同じ金額内で。しかも、WEB制作と一口にいっても、システムだったりすると気軽に追加できるものではありません。それを理解しているわけではないので、システムが絡む追加機能に対して追加料金は考えたくないし、考えたとしても雀の涙ほどのものしか想定していません。

WEB制作をする側としては、何でもできますよ、的な一言とか雰囲気は絶対に受注時に出してはいけません。後から「何でもできるっていったじゃないか」と言われます。契約書は重視されませんし、よく読んでないですから。読み聞かせたとしても覚えていません。

 

6.事前によく確認せずにGOサインを出し、完成してから「やり直せ」と言う。

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 電話が大好物な社長は、とにかく決断できます。「よし!これで行こう」と威勢が良い発言で決断します。その際にいちいち「今、決められましたので、これを覆すときには追加料金が発生しますよ」とテンションを下げる発言を私たちがするわけがありません。1回くらいならできますが、すべての要素で逆戻りしたら追加料金!と毎回言ってたら険悪になります。よって、完成してからちゃぶ台返しが待っています。

  • デザイン案もOKもらったのに、やり直し。
  • グローバルナビゲーションも、やり直し。
  • キャッチコピーも、やり直し。
  • コンテンツも実は見ていなかったので、やり直し。
  • 最近、参加したWEBセミナーで触発されて、やり直し。

 

7.電話や面談などの直接交渉でゴリ押しして要求を通そうとする。

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 電話大好物の社長は、自分の言っていることが多少は無理があると自覚しています。それは社員にもいつも無理を言っていて反発を受けてるからです。で、その際に自分の要求を通すのに一番有効な方法を知っています。それは「直接交渉」です。

直接会ってお願いする、または電話で直接思いを伝えることです。直接言われて、面と向かって「嫌です」と言うのは勇気がいります。勇気があったとしても、あれよあれよと取り込まれて、はいはい、やります。という状態に持って行かれます。

  • それじゃ、困る!(威圧する)
  • いや~、困るなぁ(良心に訴える)
  • 品質がいいと期待してたのに(良心と、評判の破壊に訴える)
  • ○○さんに良いといわれたのに(評判の破壊に訴える)
  • 良いもの作れば宣伝になるし(評判の期待と差し替える)
  • ここは、助けると思って(人情に訴える)
  • 長い付き合いになりますから(人情と経営の安定に訴える)
  • 後で追加でお願いすることもありますし(経営の安定に訴える)
  • 良いものを作りたいんですよ(向上心に訴える)

 

8.社内の人間にもあいまいな指示をだして、データが出てこない。

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「とにかく進めといて」「とにかくやっといて」と、電話大好物社長は、今の一瞬を生きています。とにかく、が大好きです。面倒なことをジクジク考えるのを放棄して、誰か社員に丸投げします。丸投げする際の指示はありません。自分で考えろ、も大好きです。成長を促しているのか、考えることを放棄しているのか分かりませんが、とにかく丸投げします。

よって、原稿や写真をどのようなものを用意すれば良いのか、社員は分かりませんので、全然データが出てきません。

 山本五十六の名言と言われる、

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。」

 というのは聞いたことは会っても、「時間がない」のでやりません。電話が大好物の社長には時間がないのです。だから、リアルタイムにどんどん丸投げしてタスクを減らしています。減らしているつもりで、指示はないので、やり直しが多くてむしろ業務は増えています。

 

9.社員が疲弊し、すぐにやめる。

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 電話大好物社長はワンマンです。豪腕と思いきや、社員はどんどんやめます。指示が曖昧なまま「早く」「自分で考えて」「やりぬけ」という3拍子は社風に含まれていますので、社員はわからないまま疲弊します。だって納期には厳しいですので。短いスケジュール・・・たとえば明日までに、土日はさんで月曜までに、とかで仕事させられます。夜でも土日でも目標を達成するまではあきらめるな、ということです。

実は目標ではなくて、気まぐれですので、やり遂げても無駄になる作業があまりにも多いので、その点でもむなしくなる社員がどんどんやめます。

「いい人材が来なくて困っている」と嘆きますが、そりゃ中小零細企業ですから。

 

10.WEBの担当者も変わるので、一から教え直し。

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 プロジェクトの内容だけでなく、FTPの使い方とか、CMSの更新の仕方とか、技術的なことはマンツーマンで教えなくちゃいけなくて大変です。電話大好き社長を見限って辞める人は、仕事の最低限の引継ぎはしても、WEBの引継ぎは書類くらいです。

新しい担当者が妙にやる気が出ちゃった場合にはさらに要注意です。プロジェクトの根幹から疑問を呈し、修正を考え、金額にすら注文を付けてきます。もうかなり進んでますけど?と言えば、あからさまに嫌がられます。

 

以上、昔を走馬灯のように思い出しながら書きましたが、いくつか思い当たる人がいるのでは?

 

私はこれをブログに書き出すことで、改めて、私は付き合わないと心に決めた次第です。あなたはどうでしょうか。次のブログでは、じゃ、どうすれば付き合わなくて済むの?というところを書く予定です。

 一言コメントいただけるとうれしいです。

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